4月11日
病気を治すために治療によって妊孕性が低下すると言われた。
妊娠の可能性が低くなること。
卵子凍結を提案されたけど少なくとも2週間はかかる。治療を遅らせるのは現実的ではないと言われた。
ただ病気を治すことしか考えていなかった自分にとっては、どう受け止めればいいのかわからなかった。頭が真っ白になって初めて人前で泣いてしまった。
不思議だった。癌かもしれないと言われた時ですら泣かなかった。
子供がすごい好きなわけでもなく、結婚もできるかわからないと思っていた自分にも母性本能みたいなものがあったのだろうか。子供を欲しいと思ったことはないけど、いつか産むのかな・・・と漠然としていたぐらいだ。
女性の特権を失うから?
家族を作れなくなる?
将来自分はひとり?
色々考えても何に対する涙だったのか答えは出なかった。
もしかしたらいっぱいいっぱいだったのかもしれない。
心のバランスを保てなかったのかもしれない。
治療を優先する気持ちは変わらない。
いつか後悔する日が来るかもしれない。
でも生きてないと後悔することもできない。
私は母親にはなれないかもしれない。
その代わり人をたくさん愛せる女性になりたいと思った。